大正琴を弾いてみよう:大正琴の調子が悪い時
調弦は合っていますか<音の合わせ方>
調弦とは複数の音を同じ音程(音の高さ)に合わせるということです。きれいな音色は、まず正確な調弦から始まります。音を聴いて耳で調弦することは初心者には難しいので、チューナー(調律器)を使って調弦することをお勧めします。
【チューナー(調律器)を使って調弦する場合】
すべての弦を個別にソ(G)に合わせていきますが、最終的に4本の弦を同時に弾いて、澄んだ一つの音になっているか確認してください。調弦が不十分だと音がにごって聞こえ、不快に感じるはずです。
【自分の耳で調弦する場合】
①市販されている調子笛やほかの楽器を使って、基本となるソ(G)を聴きながら1弦を同じ音に合わせます。
②次にこの1弦を基本音として2弦を合わせていきます。1弦と2弦を同時に弾きながら2弦の糸巻きを動かし、「うねり」がなく澄んだ一つの音に聞こえるようにします。3弦も同様に1・2弦を基本音として3弦を同時に弾き、一つの音になるように合わせます。
③4弦は1・2・3弦の1オクターブ下のソ(G)の音に合わせますが、やはり正確に合わせると「うねり」がなく澄んだ音に聞こえます。
注意①調弦は必ず音を上げながら行います。下げながら合わせると弦がゆるみやすくなり、後で音がくるってしまうので気をつけましょう。
注意②弦をしめすぎると弦が切れてケガの原因となりますので、わからなくなったときは明らかに低い音になるまで弦をゆるめてから、再度合わせ直してください。
注意③糸巻きを巻く向きは琴伝流の大正琴の場合で説明しています。メーカーにより異なる場合がありますのでご注意ください。
弦は古くありませんか<弦の張り替え方>
演奏の有無にかかわらず、長期間弦を張り替えないでいると弦が錆びて(酸化して)音色が損なわれてしまいます。弦に艶がなくなったらすべての弦を同時に張り替えましょう。
①糸巻きをゆるめて切れた弦、古くなった弦を取り外しますが、同時に全部の弦を外してしまうと下駒が動いてしまいますので、1本ずつ張り替えるようにしてください。
弦の先端で目や指などを刺さないように十分注意してください。
②新しい弦の先端を1~2cm位のところで鋭角に折り曲げます。曲げた部分が短すぎたり丸く曲げたりしますと、弦が糸巻き穴から抜けてしまい、巻き取ることができなくなります。
③弦の輪になっている方を他の弦と交差しないように、ハンドプレートの下に通し、テールピースの所定のフックに引っかけます。<図1>
④祈り曲げた弦の先端を糸巻き穴に真上から通し、<図2>糸巻きを左に回して弦を糸巻き棒に何周か巻きつけます。その後、弦がたるまないように常に引っ張りながら整然と巻きつけていきます。
⑤弦にある程度はりが出てきたら上駒、下駒に乗せます。上駒には溝かあるので弦を乗せる位置が分かりやすいのですが、下駒に乗せるときには注意が必要です。下駒には1弦~3弦用の山と、4弦用の山があります。今まで張ってあった弦の跡が残っていますので、よく見て新しい弦を元あった弦の跡に乗せてください。1弦~4弦の間隔は下駒付近で約7mmが適当です。<図3>この下駒の位置と弦の乗せ方が正確な音程(音の高さ)と音色を左右する最も重要なポイントです。
下駒の位置は合っていますか<オクターブ調整>
大正琴をはじめ弦楽器は、下駒の位置が適切でないと高音域の音程が合わないことがあります。特に合奏のときはこの調整不足が音のにごりの原因となります。ご購入時は最良の位置に調整してありますが、弦を張り替えた後などは念のためオクターブ調整(駒調整)を行ってください。
①開放弦の状態で、4本の弦をチューナーで合わせ、その針の位置を覚えておきます。
②次にのボタンをしっかりと押さえて弾き、チューナーの針の位置を確認してみてください。
③開放弦のときとのボタンを押さえたときとで、チューナーの針の位置がほぼ同じなら調整の必要はありませんが、針の位置がずれている場合は以下の調整が必要となります。
④チューナーで確認しながら以上の作業を少しずつ慎重に行い、開放弦のときとこれらの音がほぼ同じ針の位置にくるように調整してください。
大正琴の手入れの仕方と注意点
大切な大正琴をベストの状態で保ち、気持ち良く演奏するために、取り扱い方法やお手入れにも気をつけましょう。
①天板へは肘を乗せたりして圧力をかけないでください。天板の取り付け角度がくるうと音質に大きく影響します。
②大正琴表面に付いた汚れは付属のクロスでやさしく拭き取ってください。汚れがひどい場合は家庭用中性洗剤を薄めたものを少量きれいな布に取り、やさしく汚れを落とした後、よく水分を拭き取ってください。
③弦に付いた手の汚れを放置すると、弦の劣化が速くなりますので、使用後は付属のクロスでやさしく拭いてください。
④押し入れなどの湿度が高い場所での保管はお避けください。弦を含めた金属部分の腐食の原因になります。
⑤ケースに保管する場合も時々取り出して、湿気がたまらないようにしてください。
⑥自動車の中、ストーブの近く、直射日光のあたる場所など、温度の高くなる場所での保管はお避けください。本体の反りや音のくるいの原因となります。
⑦糸巻き周辺を触るときや弦を交換する際は、弦の先端で目や指などを刺さないように十分注意してください。
⑧糸巻きの動きが悪いときは、市販のミシン油か潤滑剤を少量使用し、余分な油分は拭き取ってください。