あけましておめでとうございます。
昨年は琴伝流発足50周年の節目の年でした。
琴伝流の50年間の原動力となった先生方の積極的で個性あふれる活動に、改めて深く感謝いたします。
大正琴は「音楽をもっと人々の身近なものにしたい」という思いで大正元年に誕生した楽器です。
大正琴が大衆楽器であったことで多くの愛好者の創意工夫が重ねられ、結果的に短期間で楽器としての進化を遂げることができましたが、今は昭和から平成半ばにかけての大正琴ブームの頃と異なり、大きな変革期を迎えています。
課題が多い状況ではありますが、琴伝流では大正琴音楽文化を後世につなぐべくあらゆる努力を続けて参ります。
昨年は琴伝流50周年を記念してフランスのリオン市で大正琴演奏を行い、久しぶりにヨーロッパの地で大正琴アンサンブルを奏でることができたほか、個人的には、昨年は公益社団法人大正琴協会の理事長と長野県芸術文化協会の副会長に就任し、異なる視点から大正琴や文化を見つめ直す機会をいただきました。
コロナ禍以降の文化団体は何れも厳しい運営を迫られ、ややもすれば後ろ向きな発想に陥りがちですが、コロナ禍中に強く感じた「文化は心のインフラ」という信念は変わりません。
大正琴を通じて多くの人と触れ合うことで心の健康が整い、元気に過ごすことができます。
今年は昭和百年。
昭和世代の大正琴愛好者が先頭に立って元気の源を増産し、今年も周囲の人に幸せのお裾分けをたくさんしましょう。
文末ながら、大正琴愛好者ならびにそのご家族の皆様の一年間のご多幸を祈念して年頭の挨拶といたします。