琴伝流は昭和50年代前半に次々と音域の異なる大正琴(アルト・テナー・ベース)を考案し、大正琴のみを使ったアンサンブル(大正琴アンサンブル)を実現した流派です。今日多くの流派で大正琴の合奏を楽しんでいますが、大正琴アンサンブルは琴伝流から始まりました。
日本の伝統芸能では、完成された技を伝える仕組みとして家元制度が多く見られます。しかし、歴史の浅い大正琴がこうした伝統芸能と肩を並べるためには、全愛好者によって大正琴音楽文化を高め続ける必要があると考えています。
琴伝流では会員の皆様から流派に対して入会金や会費をいただいていません。琴伝流の原動力はお金ではなく会員の皆様の元気です。大正琴を生涯の趣味として続けていただくために琴伝流は皆様から必要以上のお金をいただきません。
一番大切なのは流派ではなく一緒に楽しむ仲間です。しかし、続けるにつれ「こんなにお金が掛かるとは」とか、「弾きたい楽譜がない」といった不満が募る団体もあるようです。「偶然出逢ったのが琴伝流で良かった」と言っていただけるよう、ほかでは味わえない様々な楽しみを提案し続けます。
琴伝流の商品は認定指導者を通してご購入いただけます。認定指導者に習っていない方は直接ご注文いただくことも可能ですが、楽譜など一部の商品は琴伝流会員のみの販売となります。なお、ご注文はメールなどでも受付けますが、組み合わせに注意が必要な商品もありますので、できればお電話で担当者にご相談ください。
琴伝流では想い出が一杯詰まった大正琴は長く使っていただきたいと考え、修理にも力を入れています。「他のメーカーで10万円以上する大正琴が修理できないと言われた」という話を聞いたことがありますが、こんな不誠実な対応は許せません。
ほかの流派の大正琴をお持ちの方は、教室に通うだけであれば買い換える必要はありませんが、発表会等で演奏する際に支障が出る場合があります。更に修理対応ができないことから、いずれは買い換えた方が無難と言えます。使わなくなった大正琴のある教室も多いので、まずは先生に相談しましょう。
マイクが内蔵されていない他社製の大正琴の場合は、後付けが可能であればマイクを取付ける必要があります。また、マイク内蔵の他社製大正琴であってもその特性が異なるため、そのまま接続できない場合や演奏バランスを崩す可能性があります。
オークションには現行品でないものが多く出回っていますので注意が必要です。また、現行品であってもメーカー違いによるトラブルの可能性があります。メーカー保証が受けられないことなどを考えるとあまりお勧めできません。
最近は家に居ながらにして様々なものが購入できる通販が人気です。しかし、通販会社は楽器専門店ではありませんので、修理や消耗品の購入に不安が残ります。また、共鳴箱の底に厚紙を使っている中国製の大正琴もありました。これでは良い音色は期待できません。