令和6年を迎えました。
今年は元日の能登半島地震に続き、大きな災害や事故が発生して心が痛む三が日となりました。
お亡くなりになられた方のご冥福を祈るとともに、被災された方には心よりお見舞い申し上げます。
被災地への物資の支援が急がれる一方で、時間のかかる心の支援に大正琴で少しでもお役に立ちたいと思います。
想像だにしなかった年明けとなりましたが、今年は琴伝流発足50年の節目の年です。
琴伝流を運営する当社は昭和31年にバイオリンメーカーとして創業し、紆余曲折を経ながら昭和40年代半ばに演奏もできるミニチュア三味線・ミニチュア琴がヒットして、創業以来の危機を脱することができました。
大正琴の製造を始めたのはその数年後になります。
創業者の北林源一郎が全国の物産展でミニチュア楽器をデモ演奏した経験から、当時ソプラノ音域だけでメロディーを奏でていたシンプルな大正琴に共通点を見出したのかもしれません。
大正琴の製造を始ると、当時の社内に溢れていた遊び心とそれを形にする技術にバイオリンメーカーとして創業した弦楽四重奏の魂が呼び起され、アルト・テナー・ベース大正琴を考案して数年で大正琴アンサンブルが実現します。
大正琴でもっと音楽を楽しもうという素朴な思いが、結果的に大正琴の歴史を大きく変える出来事となりました。
琴伝流ではこれからも「大正琴でもっと音楽を楽しもう」をテーマに、皆様と一緒に今以上に楽しい大正琴を探求し続けたいと思います。
琴伝流発足から50年間に亘る数えきれない縁(えにし)に感謝し、一人でも多くの方と新たな縁が結ばれる一年になりますことを願って挨拶といたします。